登山はまだ1度しか経験がない初心者が、近くの山である北九州市八幡東区の皿倉山に登ることにしました。
初心者&ひとりでも表登山道なら登れそう?
「初めての山はひとりを避ける(できるだけ経験者と登る)」というセオリーは知っていたものの、一緒に登れそうな人は思い浮かびません。
誰かにお願いして時間を合わせる気持ちや時間の余裕も無く、天気や体調がよい時に自分のタイミングで登りたい。
「ルートが簡単かつ安全であれば…」
そう思って皿倉山のルートをネットで調べていたら、表登山道が候補に上がりました。
舗装道ばかりだし、登山者も多い様子。
そしてケーブルカーも動いていたので、頂上まで行って万が一辛くなっていたら、ケーブルカーに乗って帰ればいい!と思いました。
皿倉山表登山道とは
上り:約120分 下り:約95分
帆柱ケーブル山麓駅-花尾分れ-大杉道中-皿倉平-皿倉山頂
皿倉山ビジターセンターホームページから引用
ケーブル山麓駅前から山頂に向かう舗装道路と併用する表登山道は、8コースの中で最も利用者が多いコース。昭和12年に登山道沿いの景観に優れた15箇所を「帆柱15景」に選定。
上りながらもよし、下りは下りの景色があってすばらしいコースです。道路沿線の植生を観察しながら歩くのにも手頃な箇所であり、四季折々の楽しみが期待できます。
「上り120分、下り95分。上りも下りも景色がすばらしいコース」と皿倉山ビジターセンターのホームページに説明がありました。
皿倉山ビジターセンターは「NPO法人帆柱自然公園愛護会」という組織が運営し、ホームページには皿倉山の登山のルートなどが掲載されています。
表登山道以外のコースを調べることもできます。
「表登山道」は初心者コースに分類されていたので、これなら大丈夫?と登ることにしました。
表登山道へ

前日に雨が降ったせいか水が流れ、川の水の音が辺りに響いていました。

帆柱15景
北九州市八幡東区ホームページから引用
昭和12年に完成した皿倉表登山道の景勝地として、当時の地元の小学生により選ばれた15の地点には、それぞれ石標が立っており、総称して帆柱十五景と呼ばれています。
坂道を登っていくと「帆柱15景」が楽しめます。
大師樅は二合目の手前ぐらいです。

大師樅のところから右に開けている場所がありました。
写真左手に皿倉山祈願塔、右手にお砂踏み場があります。
最初はこの場所がどういう場所か分からなかったので、後日調べてみました。
この祈願塔は皿倉山の三合目の台地にあり、ご本尊は祈願大師(弘法大師)と言い伝えられています。
出典:ふるさと”やはた”=子どものための郷土民話=第二集「忘れられた皿倉山祈願塔」
その昔の初夏の頃、この地方は未曾有の大干ばつになり、筑前や豊前の国の大小無数の河川はことごとく枯渇、田畑は枯れはて、湖沼の底は干割れてしまいました。村人たちは田植えの水を求めてぼう然として天を仰ぎ、雨が降らんことを乞い願いました。
だれ言うことなく、昔、弘法大師が神泉苑で雨乞いをして恵みの雨を降らせ、五穀の種を結ばれたという故事にならい、千把焚きをしようということになりました。
村の長老たちが、真剣に話し合い、昔、弘法大師が立ち寄られ、功徳を施された、皿倉山三合目の台地で、千把焚きの雨乞い祈願をして大師のご利益にあやかろうと、村人たちは、各地から薪を背負って続々と登山し、三七・二十一日間、薪を燃やして一心に祈り念じました。
人々の気持ちが天に通じたのでしょうか、満願の日、東の風と共に黒雲が現れました。たちまちのうちに黒雲は天を覆い、雷鳴を伴って豪雨が降り出し、その夜から甘露の慈雨となって、三日三晩降り続きました。このおかげで、豊前、筑前の山野、田畑は緑を取り戻し、村人だけではなく、生きるものすべてが大喜びして天に感謝しました。
人々は、神仏の霊力を得、天の恵みを得た弘法大師の霊験のおかげと感謝、これからも弘法大師の守護を得たいと念願して各地から浄財を募り、この地に祈願大師を勧請して「祈願塔」と名付け、筑前の国第一の霊地にして崇拝しました。
その後、戦国の時代、江戸時代と、歴史は移り変わりましたが、千把焚きの行事は行われ、その霊力はつねにあらたかだった、と言います。
著者:沖田二二さん
大旱魃と雨乞いの歴史、弘法大師空海ゆかりの場所…皿倉山にこんな歴史があったなんて驚きです。
その祈願塔をあとにして先に進んで行くと、道沿いにベンチがありました。

小休止。

結構歩いたと思ってもまだまだ三合目です。
舗装道はさらに続きます。

大扇望。
黒崎付近が見えます。

達磨岩。


巨木もたくさん。

看板も出ているので特に迷うことなく皿倉山ビジターセンターに到着しました。

紫陽花がとても綺麗に咲いていました。

紫陽花に挟まれた道を進んで頂上へ。
後日この写真をSNSでアップすると、北九州で生まれ育った30代の方に「昔はこんな柵も無く、きれいじゃなかったので驚きました」と言われました。

皿倉山の頂上からは色々な地域が見えました。

小倉南区の平尾台も見えました。
かなり広い範囲で周囲の山々が見えます。
皿倉山すごい。
山頂でしばらく休憩して、帰りも歩いて帰りました。
そしてこの日は帰り道にこちらのお店に立ち寄り、一人ビールで乾杯。
登った後のビールは格別!ですね。
皿倉山の情報(駐車場・公共交通機関)
〒805-0048 福岡県北九州市八幡東区大蔵
無料シャトルバス:JR八幡駅からケーブルカー山麓駅まで。詳しくはこちらから。