昨年から登ろうとしていた、福岡県豊前市の求菩提山(くぼてさん)。
登山は初めて、そのうえ土地勘がほとんどない豊前市にある山でした。
それでも「登りたい!」と運動が苦手な子供が強く主張するので、親としては挑戦させてやりたいと思いました。
しかしネットで求菩提山の登山ルートを調べてみれば「鬼の石段」という約850段の急勾配の石段があるではありませんか。
本当に親子で登れるのか…?
初登山で不安すぎる!ガイドさんに同行してもらうことに
初心者向けの登山ツアーが無いのかネットで探しても情報は出てきません。
豊前市が「森林セラピー」として様々な体験プログラムを提供していたのですが、コロナの影響により2020年の4月以降は全て中止になってしまいました。だから見つけられなかったのかもしれません。
それではガイドさんは?とネット検索したら、求菩提資料館のホームページで「史跡ガイドボランティアの会」の存在を知りました。
会員の方々は求菩提山の案内をしてくれるようだったので、お願いすることにしました。
史跡ガイドのお願いは、まず求菩提資料館に電話します。
史跡ガイド担当の資料館スタッフの方に、登山の希望日時や参加人数、登山の経験値などを伝えました。
求菩提山を歩く(求菩提山の写真)

経験値と出発時間から、コースの中でも一番短いコースになりました。
座主坊園地駐車場からスタートします。
駐車場は広いし、トイレも綺麗。
しかしここまでの道は、離合ができない細い道が続いています。
地元の方にお聞きすると、「祭のときにはシャトルバスが普通に通ってますよ」と聞いて驚きました。運転が苦手なので…。
駐車場の奥が山の入口でした。

史跡ガイドボランティアの方は2人でした。
山や歴史について教えてくれます。
この通りは求菩提山のメインストリート、一番の賑わいで「山の中は麓の村よりもずっと都会だったらしい」とのこと。
この山で修行をしていた山伏は全国を旅していて、様々な物を山に持ち帰っていたそうです。
山伏は麓の村人から見れば珍しい物を持っていたり、話を知っていたようです。


「岩屋坊」に案内されました。
ここは山伏が実際に住んでいた家でした。
今は誰も住んでいません。
山中に残るわずかな二軒の坊(山伏がすんだ家)の一つが、この岩屋坊です。昭和40年代初頭まで岩屋氏が住んでいましたが、その後無住となり今は福岡県有形民俗文化財の指定を受け保存されています。建物の規模、構造など特に珍しいものではなく、求菩提山の坊家としては平均的なもので、江戸時代末期の建築と考えられています。記録によれば明治5年には2世帯5人が生活していて、内、1人は弟子となっています。内部には竃や囲炉裏、祭壇なども残され、当時の山伏達の生活の様子を知ることができます。なお内部を見学希望の方は資料館にご連絡ください。
看板から引用
豊前市教育委員会
見学ができるとは知らなかったので、嬉しいサプライズでした。
「岩屋坊」の「岩屋」は名字なので、「岩屋さんのお宅」という意味なんですね。

実際に使われていたという食器類。洒落たデザインです。

床の間には仏像や、不動明王の掛け軸もありました。
岩屋坊は年に数回ボランティアの方々が掃除をしているそうです。

岩屋坊から先に進み「安浄寺跡」に。
安浄寺は後で調べたら、山伏の葬いの場…とても静かで穏やかな場所でしたよ。


山奥なのに新しいしめ縄がかけられています。

特徴的な顔をした石像は江戸時代に彫られたという「獅子の口」。
湧き水が流れていました。
昔はここから飲食が禁じられていたため、山伏たちの最後の水飲み場だったようです。
獅子の口付近ではテーブルとベンチがあり、コーヒーとお菓子をいただいて小休止しました。
贅沢な気持ちになりました。

獅子の口の先へ進むと鳥居と狛犬が見えてきます。

山の麓にあった鳥居がここまで運ばれてきたそうです。
どうやって運んでいったのでしょうか。

階段をどんどん登っていくといよいよ国玉神社中宮です。
中宮の手前の広場では、毎年春に「お田植祭」といって大きなお祭りが行われているそうですが、2020年はコロナの影響で中止になったとのことでした。
いつか見ることができるでしょうか。

広場の先は右手に「鬼神社」があります。
変わった名前の神社ですよね。

階段を登り切ると中宮に到着です。

中宮に着くとベンチがあり、休憩しました。
私たちが疲れ過ぎないように、ガイドさんが時間を見て調整してくれていました。

休憩の後はいよいよ上宮への道が始まります。
鬼の石段です。

かなりの急勾配です。
小学校中学年の長女は「怖いー」と言っていましたが、後ろにガイドさん2人がガードしながら登ってくれたので、自分の足で登ることができていました。
私は危ないところが無いかチェックするために、先頭で登りました。
私たち親子だけで登るのは無理だったと思います。(頼んでよかった!)

文字が刻まれた石。
鬼の石段は、石段というかただ石が積まれただけのような箇所もありました。
ところどころで鎖を掴みながら、慎重に登ります。

上宮の看板が見えました。あと少しです。
だいぶ記事が長くなったので、次の後編で続きをお伝えします。
座主坊園地駐車場の情報
〒828-0086 福岡県豊前市求菩提
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