豊前市に移住してから丸2年、豊前だけでなく中津、宇佐、豊後高田など周辺のエリアの土地勘もできてきた。
歴史が好きで色々本も読んだ。
しかし本を読むとは言ってもなかなか思うように進まない。
なぜ歴史の本はあんなに難しい言葉で書かれているのだろう。
日本語が難しくて「この理解で合っているのか?」と困っていた。
自分の読解力の問題であるものの、いきなりレベルを上げることは難しい。
「もっと簡単に書かれた本は無いのか」と願っていたら、出会うことができた。
それが尾座本雅光氏さんが書いた本だ。
豊前市の春の祭り「お田植祭」に出かけた際に知り合った歴史YouTuberの方に「この方の本がいいと思いますよ」と教えていただく。
尾座本雅光さんの名前を豊前市図書館で検索したらヒットし、「豊前・築城『史跡』『伝説』探訪 ふるさと豊前路」を借りて読んでみた。
本のはじめに「本書は専門の郷土や歴史的たぐいでなく、郷土に伝承されている事柄を個人的感想を含め『ふるさと豊前路』と題し、小、中学生の皆さんでも興味をもって読んでくれることを願って記述しました。よって一般的な歴史的記述の通例になっていないことをお断りします。しかし、ここに揚げた文化遺産の一つ一つは、誇るべきふるさと豊前・築上の宝だと思っています」と書かれていた。
小中学生の皆さんに…ということはまさに欲しかったレベルの本である。
やさしく書かれているのでスラスラと入ってくるし、歴史用語や理解するのに必要な前提の説明も添えられていた。
また「本書は専門の郷土や歴史的たぐいでなく」とあるが、あとがきに「豊前・築上地域には、郷土史研究に生涯をかけたすぐれた先達がいます。近年は忘れ去られようとしているのが残念です」と書かれていた。
先達とは以下にリストアップすると
- 岡 為造氏「築上郷史」…郷土にとっては「古事記」的な価値ある著作
- 稲葉 倉吉氏「豊前郷土史論集」
- 大江 俊明氏『築上史談』
- 辛島 並明氏『宇ノ島築港史』
- 熊谷 克己氏『築上小史』
- 戸成 輝夫氏『杉生郡代書状』
- 青木 庄一郎氏『地形学から観た築上郡』
- 重松 敏美氏『豊前求菩提山修験文化攷』
- (それ以外にも多くの先生)
「先生たちの足元にも及ばない」
「これらの郷土史研究論文を見ると、心底、現在の豊前・築上の郷土史研究の新たな分野はないことを痛感させられる」
豊前・築上地域は大正から昭和初期に活動した「築上史談会」の活躍ですべて調査研究済であるから
「私たちに課せられた役割は、この偉大なる先輩が残してくれた成果を、いかに後世に語り継ぐかの、その一点に絞られているといっても過言ではありません」
それらの文章を読みながら、では自分のような専門家ではないけど歴史好きが尾座本さんの本を読んで足跡を追ってみるというのはどうだろう。
偉大な先達たちの功績が消えてしまうなんて勿体ない。
後日専門家から更におすすめの本を教えてもらう
「尾座本さんの本に書かれていた情報は諸先輩方の研究がベースになったもので、さらに新しい研究結果が加わった後に書かれた本で情報を追うほうがよりおすすめです」と、豊前市の専門家の方から教えていただくことができました。
そのおすすめの本は2冊あります。
「新京築風土記」と「市政50周年記念ぶぜん写真集」です。
新京築風土記はamazonでも売っていましたが、ぶぜん写真集は見つかりませんでした。
求菩提資料館なら両方売っていましたよ。
この2冊の本を持って、各地を巡ってみようと今計画しています。
楽しそう!