空から降ってきた石を祀るといわれる神社が福岡県の東峰村にあります。
「見てしまうと目がつぶれる」と言い伝えられていて、石を見た人は今なおいないそうですが、不思議な伝承ですよね。
岩屋神社の様子

神社がある岩屋公園は、耶馬日田英彦山国定公園のエリアです。
石碑の後ろに見える岩肌は奇岩群。
天然記念物にも指定されていています。

御神木の一つであるイチョウの木も天然記念物に指定されています。
右横の社の高さと比較すると、その大きさを感じていただけるのではないでしょうか。

神社の中の坂を登っていくと棚田が見えます。
岩屋神社周辺は棚田で有名で、神社からよくその景色が見えました。

軽いトレッキングのように、石段を登っていきます。
ここは運動靴がいいですねー。
途中で崖下を見ると石仏がたくさん立ち並ぶ場所もありました。
「神社の中に仏」。神仏習合の跡が見られます。

さらに急な坂道を登ってみると

熊野神社です。
崖の隙間に建物がはめ込むように建てられていました。
ここまで登る方がいるようです。すごいですね。

熊野神社を過ぎるといよいよ岩屋神社の社殿です。
祀られているという石はもちろん見えません。

この社殿も岩にくい込むように建てられています。

なんだか可愛い鳥の彫刻です。

岩屋神社の境内を歩いていてとての目を引いた奇岩。

行かなかったけれど鎖場もありました。
山伏が修行していた場所なのでしょう。
岩屋神社のアクセス
〒838-1701 福岡県朝倉郡東峰村大字宝珠山4150
http://toho-info.com/pl_hist/iwayajinja.html
空から降ってきた石を祀る「岩屋神社」とは
仏教が日本に伝来して来た時の天皇である「欽明天皇」の代に、空から落ちてきたという石を御神体として祀り社殿が造られたようです。
その石は「宝珠山」と山の名前の由来にもなり、修行する山伏に崇拝されたと言います。
大化4年(648年)には神のお告げがあり、石は「むしろ」でくるまれるようになりました。
見たら目が潰れるとも言い伝えられ、四年に一度の閏年のむしろの交換の時も見えないようにしているほど。徹底していますね。
宝珠石は本殿の中に祀られているようです。
御祭神
英彦山権現と同じ御祭神です。
- 伊弉冉尊(いざなみのみこと)
- 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
- 天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)
岩屋公園内は、岩屋神社を中心に、彦山山岳修行の第3窟(玉置宿)として重要な修行場でありました。鎌倉時代の記録には、「行者は、必ず岩屋神社の宝珠石に祈らなければならない」と書かれています。
http://toho.main.jp/iwayajinjya.html
東峰見聞録 東峰村観光情報サイトより引用
この岩屋神社は英彦山の修験者たちの重要な修行場だったようですね。
英彦山は中国・北魏からの渡来僧「善正」によって修行場として開かれました(531年)。
その翌年に宝珠山宝泉寺大宝院として、岩屋神社も開かれたと言います。
岩屋神社は、修験者たちがの最大の修行である峰入りコース(英彦山から宝満山)の道中でもあったようです。